伝統を大切にして今の暮らしを楽しみたい

文様の意味について

文様は、暮らしの中にしっかり溶け込み今に受け継がれています

秋柄の風呂敷

月と兎

 

文様は、大きく分けると

「植物や動物を描いたもの」

「連続した形が続くもの」があります。

 

 古くから四季折々に咲く草木や

暮らしの情景を描かれ文様として受け継がれてまいりました。

文様が生まれた意味を知ることは、

 人に対する心遣いを間接的にに伝える、日本らしい美意識なのです。


 

時々、お客様からこんな質問をいただきます。

「桜文様の風呂敷は、春以外に使ってはダメなのですか?」

 

文様の意味を知ることで季節柄の風呂敷に敏感になってしまうのです。

和のルールは、勉強すればするほど奥が深くて・・・

そこで、

一年を通じて使える文様をいくつかご紹介しておきますね。

植物・・

「松」「竹(笹)」「梅」「桜」「菊」

「牡丹」「桐」「唐草」「薔薇」

 生き物・・

「鶴」「亀」「鳳凰」「おしどり」「龍」「獅子」

鶴と松

吉祥文様

自然や風景・・

「雲」「風景(御所解き・日本三景・京名所)」

 

正絹ちりめん

正絹ちりめん
サイズ 68㎝

器物・・

「宝尽くし」「扇」「源氏香」「貝桶」

「熨斗」「車」「楽器」「几帳」

貝桶柄

貝桶

 割付・・

「鱗」「石畳」「七宝」「格子」

「縞」「亀甲」「青海波」「立涌」

 

 

  1. 植物文様
  2. 生き物の文様
  3. 自然・風景文様
  4. 器物文様
  5. 割付文様

古くから四季折々に咲く草木が文様として取り入れられています。

日本は四季がはっきりわかる国。

季節にあわせて、その時々咲く植物の文様を取りいれていきたいものです

「春」

藤は物に絡みつき蔓を伸ばしていく植物

その様子に生命力を感じます

 

「夏」

5月から6月に水辺に咲く花なら「かきつばた」

紫陽花やひまわりは夏を代表するお花です

紫陽花

「秋」

厳しい夏が終わり、吹く風にやさしさが感じられる「秋」

深緑の葉が色づき始る情景は、心を穏やかにしてくれます

萩

「冬」

極寒の時期に春におとずれをいち早く知らせてくれる花は

やはり「梅」

梅柄は、吉祥文様の代表格!

絵柄によっては、通年使える文様なのです

 

 

 

私たちが日ごろよく目にする生き物や想像上の生き物にも深い意味が込められています

商売繁忙を願って描かれたもの

鯛は、おめでたいとの意味につながり

お祝いごとには、よく登場しますね(^_-)-☆

七福神と鯛

お稲荷さんも

商売をされている方には、縁起物として喜ばれます


「カエル」は、無時帰る 

の語呂合わせから縁起がよい文様されています

「蝶(ちょう)」は、さなぎからは想像もできない

美しい姿に変身することから「不死不滅」の願いがこめられた文様です。

「トンボ」は、武士に人気の文様でした。

その理由は、

飛んでいる虫を的確にとらえ、その俊敏さや攻撃力から

勝ち虫と呼ばれるからです。


想像上の生き物で有名なのは

「鳳凰」

空想上の鳥で、古来は高貴な身分の方の衣装に用いられました

今でも着物や帯などにも格の高い文様として人気です

鳳凰の絵柄

 

雲、霞、波、流水、風景など自然をモチーフにした文様

自然文様

とらえどころのないものを、感性豊かに図案化したもの

日本人の美意識の奥深さを感じます。

その伝統的な文様は、

動物や植物と組み合わせたものは絵画的な趣があります

 

遠山と桜

 

風景文様

自然の風景そのものを描いたものや

日本の名所や行事そのものを表したものがあります

美しき日本ならでは色づかいがとても魅力です

京都 五山

時代まつり

扇、小箱、御所車などの調度品を文様化したもの

器物文様(きぶつもんよう)

王朝の暮らしのあこがれから

道具類や生活用具を文様化しています。

季節の草花と組み合わせて多種多様なアレンジがなされています

調度品の形は美しく魅力的なものが多く描かれています

桜とてまり

扇

なつめ

一つの柄を規則的にくりかえしてる模様の総称

割付文様(わりつけもんよう)

三角形、ひし形、円形、方形、多角形の同じ文様を

前後左右に連続させています。

 

並行する複数の線で構成される「縞」

縦じまの他に、横縞、格子縞の文様もあります

縞

 

多角形の幾何学模様なら「麻の葉」

植物の麻を文様化したもの。

麻は丈夫で真っすぐに育つことから

赤ちゃんの産着に個の文様が用いられていました。

この文様は、和の意匠によく使われています。

 

紗綾型(さやがた)文様

さや型

卍の字を崩し、組み合わせて連続模様にしたもの

現在では、着物や長襦袢の地紋に用いられます

 

 

 

 

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